いつかの日曜日

JACKALOPEの社長様は

お酒が飲めません

お酒が弱いとかの問題では無く

体質的に飲めないようです



JACKALOPEのスタッフ1号は

お酒が飲めます

お酒が強いとかの問題では無く

お酒が好きでたまらないのです



極力外になんて出掛けたく無い社長と

隙あらば外に出たいスタッフの

たまにの飲み会のお話です

社長も嫌々ではありますが

働き方改革の時代

従業員満足度を上げる為に

たまにたまーに連れて行ってくれるのです

家に帰りたくて堪らない社長

いつでも帰れるようになかなかリュックをおろしません

普段の仕事は

なるべくお互いが思いやって

気持ち良く働けるように心がけているのですが

この時ばかりは無視を決め込みます

だって私は飲みたいんですもの！

渋々オレンジジュースで乾杯

上着も脱がずに未だ帰りたさ全開

一発目から〆のおにぎり

初めて社長と飲みに行った人は

心折れる瞬間だと思いますが

十数何の付き合いのスタッフは

こんなのへでもありません

ここは如何に社長の帰りたい空気を

無視し続けるかが重要なのです

ひとしきり仕事の話やら

過去の恋愛話やら

将来孤独にならない為の生き方やら

ベラベラと喋り続けてみます

私の話には100%興味が無い社長

これもいつもの事なのでご心配無く

ひとしきりの従業員の話が途切れると

さて　そろそろ帰ろうか

と社長

いやいや　まだ2時間経ってませんやん

と粘る従業員

あと1杯で終わってくれ

と社長の懇願

ではあと1杯だけ　と言いながら

あと3杯は飲んでやろう

と企む従業員

店員さんに会計を頼みたくてたまらない社長

会計を阻止したくてたまらない従業員

2人の攻防戦

トイレに行った隙に会計終わってる

早く帰りたい社長の勝利

不満げな顔を横目に

颯爽と家路へとつく社長

口惜しさを噛みしめながら

さらに夜の町へと消えていく従業員



ある日の日曜日の夜の出来事でした